1初診来院時
超音波検査
子宮や卵巣の状態をみます。子宮筋腫、子宮内膜症の有無、卵胞の発育状態や内膜の形状や厚さから排卵日を推定することができます。排卵後の卵胞消失の確認にも使用します。月経期には5mm程度の卵胞が、排卵期には20mm程度になり、さらに排卵によって、のう胞様の像が消失する様子を正確にモニターすることができます。卵巣に多数の中小卵胞が見られる多嚢胞性卵巣(PCOS)、チョコレート嚢胞、卵巣腫瘍なども診断することができます。
子宮頸がん検診
子宮頚ガンの有無を調べます。
性感染症検査
卵管性不妊の原因となる、性行為感染症のクラミジア、淋菌を調べます。
血液検査
- ・PRL(プロラクチン)
- 乳汁分泌ホルモン。排卵障害、黄体機能不全、値が高いと流産の原因になります。
- ・甲状腺ホルモン
- 流産、胎児成長に影響します。
- ・AMH
- 卵巣予備機能の指標となるホルモンです。卵巣内の残存発育卵胞数と相関すると言われています。
- ・抗精子抗体
- 精子を不動化させるような抗体がないかを調べます。
- ・風疹抗体
- 妊娠初期〜中期に感染すると胎児に奇形を起こすことになります。風疹の抗体価を調べます。
- ・感染症
- B型・C型肝炎ウイルス、HIV、梅毒の有無を調べます。
- ・血型
- 血液型を調べます
- ・生化学
- 肝機能等を調べます
- ・血液一般
- 赤血球、白血球、血小板等の数の異常や貧血の有無を調べます。
- ・止血セット
- 血液の固まりやすさを調べます。
- ・ビタミンD
- 骨の形成を助ける栄養素、生殖に重要です。
血圧・体重測定
高血圧の有無、BMIの算出をします。(高度の肥満は排卵障害をもたらす原因になります)
男性の検査
初診時もしくは後日来院時におこないます。
感染症検査
B型・C型肝炎ウイルス、HIV、梅毒などの感染症の有無を調べます。
精液検査
男性の基本検査です。2〜5日間の禁欲後に採精して頂き、精液量、運動精子数、運動率、奇形率、白血球の数を調べます。WHOの基準と比較してお話します。
正常精液所見(WHO:2010年)
精液量:1.5ml以上 精子濃度:1500万/ml以上 運動精子濃度:600万/ml以上 運動率:40%以上
正常形態率:4%以上 前進運動率:32%以上 白血球数:100万/ml未満
2月経2〜4日での受診時
ホルモン採血
下記どちらかを実施
- ・E2、LH、FSH
- 卵巣の機能を調べます。
- ・E2・LH-RHテスト
- 排卵障害の原因を調べます。視床下部ホルモンのLH-RHを注射し、注射前と30分後で採血を行い、視床下部・下垂体ホルモンの分泌の状態をみます。
- ・ビタミンD
- 骨の形成を助ける栄養素、生殖に重要です。
糖尿病検査
高度の肥満、糖尿病の素因は妊娠や流産に影響します。空腹の状態で血糖値、HbA1C、インスリンの値を調べます。
3月経5〜10日での受診時(月経終了直後に実施)
子宮鏡
細いファイバースコープを子宮内に挿入して子宮腔内のポリープや筋腫、内腔癒着、子宮奇形の有無を調べます。受精卵の着床の良し悪しを判断する手助けにもなります。
検査時間5分程度であまり痛みもありません。TVモニターの映像を見ながら行いますので一緒に見ることができます。
子宮卵管造影
造影剤を子宮内、卵管に注入し、子宮や卵管の形態、卵管の通過性、卵管采周囲の癒着の有無を調べます。時に痛みを伴うことがあるため、痛み止めの座薬を使用して行ないます。
使用した造影剤の残存や拡散を見るため、1週間以内に再度レントゲン写真を撮影します。そのため2回の来院が必要となります。
卵管造影検査で卵管閉塞が確認された場合
子宮鏡で卵管口を確認し専用のカテーテルを卵管内に進め、造影剤を注入し卵管を通過させます。子宮鏡下選択的卵管造影を実施します。左右の卵管を別個に造影する検査です。
閉塞していたと思われる卵管が通過する場合があります。
血中ホルモン検査
- ・テストステロン
- ・DHEA-S
卵巣由来と副腎由来の男性ホルモンの値を調べます。高値の場合、卵の発育障害を起こします。
4その他の検査
MRI
子宮筋腫の部位、大きさ等、卵巣腫瘍の良性・悪性の診断をします。卵巣嚢腫(チョコレート嚢胞含む)の診断に行い、提携先での検査になります。
性交後検査(フーナーテスト)
排卵日頃の朝に性交し午前中に来院します。頚管粘液を採取し、頚管粘液と精子の適合性や精子が子宮腔内に達していること、頚管粘液中の精子数を確認します。
採取した頚管粘液は顕微鏡を用いて調べます。
頸管粘液検査
排卵日頃の頚管粘液を検鏡します。分泌量が少ない場合や粘性が低い場合は精子の子宮内への上昇が困難な為、妊娠しにくくなります。
粘液の性状を見ることで、排卵日の推測ができます。