排卵誘発
排卵誘発はいくつかの種類があり、年齢や胞状卵胞、AMH値、基礎FSH、治療歴などによって、最適な排卵誘発方法を選択します。複数の卵子を育てるために、投薬や注射を行いますが、連日の注射が必要となることがあります。当院では通院に伴う精神的負担や、交通費の負担などを軽減するために自己注射を導入しています。卵胞が18~20mm程度に複数個、成長したところで、採卵の36~37時間前に排卵を促すHCG注射を行います。
排卵誘発方法
- Ⅰ. GnRHアゴニスト法
- ロング法とは
- 月経開始前からGnRHアゴニストを使用し、排卵を抑えながらhMGやrecFSHを連日使用して卵胞を育てる方法。
- ショート法とは
- 月経が開始してからGnRHアゴニストを使用し、GnRHアゴニストのフレアアップ現象を利用する方法。 その後は、ロング法と同様。 *GnRHアゴニスト:イトレリン点鼻薬 *フレアアップ現象とは、内因性のホルモンが一過性に上昇すること
排卵誘発法~ロング・ショート法
- Ⅱ. GnRHアンタゴニスト法
- 排卵誘発剤の内服/アロマターゼ阻害剤+hMG/recFSHで卵胞を発育させ、卵胞がある程度発育したらGnRHアンタゴニストを連日使用し、排卵を抑えつつ卵胞を育てる方法。
排卵誘発法- GnRHアンタゴニスト法
- Ⅲ. 低刺激法・自然周期法
- 自然周期または排卵誘発剤やアロマターゼ阻害剤を使用し、時々hMG/recFSHを併用しながら、1個~数個の卵胞を育てる方法。GnRHアンタゴニストも適宜使用。
排卵誘発法-低刺激法・自然周期法
採卵 (OPU:oocyte pick up)
検卵
吸引により採取した卵胞液から卵子を探します。卵胞液を容器に小分けにして顕微鏡下で卵子を探します。回収した卵子は培養液に移し、培養を開始します。
媒精の準備
媒精には通常の体外受精と顕微授精の2種類があります。このうち、顕微授精をするためには、卵子の周りにある卵丘細胞を除去する必要があります。卵丘細胞を除去後、成熟しているかを判断します。
媒精
通常の体外受精(C-IVF)
専用の容器に卵子を移し、規定の濃度になるように調整した精子をかける方法。
適応精液所見正常
通常の顕微授精(ICSI)
卵丘細胞を除去した成熟卵子の卵細胞質内に針で精子を1個注入する方法。
特殊な顕微授精(PIEZO-ICSI)
先端が平坦なガラス管を装置によって微細に振動させて精子を注入する方法
受精確認
媒精の翌日の朝、受精しているかの確認を行います。2個の前核(雌雄前核)が確認できて正常受精と判断します。正常受精のほかに受精不明確、異常受精という状態があります。