排卵誘発剤の HMG について

HMGやリコンビナント―FSH はどの程度有効なのですか?

患者が低ゴナドトロピン性卵巣機能低下症の場合には排卵率は90%以上です。

PCOSの場合、排卵率は70~75%ですが多胎妊娠に注意が必要です。

HMGやリコンビナント―FSH はどのように働くのですか?

HMGやリコンビナント―FSH は卵巣にある卵胞を直接刺激して発育させます。投与中は超音波による卵胞の観察と血中エストラジオール値や尿中LHの測定でモニターし、卵胞径が18~20mmになった時点で他の検査データも参考にして hCGあるいはブセレリン点鼻薬を投与して排卵させます。

HMGやリコンビナント―FSH とはどのような薬ですか?

HMGとはヒト閉経ゴナドトロピンの略です。閉経期の女性の尿から精製したもので、FSHとLHの両方を含みます。商品名は、HMGフジ・テイゾー・フェリング・フォリルモンP、などです。

リコンビナント―FSHは遺伝子操作で作られたヒトFSHと同一のものです。LHは含んでいません。品質にばらつきが無く、かつ安定供給が可能ですので欧米では広く用いられていますが、日本ではHMGも安価に供給されていますので症例によって使い分けています。商品名はゴナールF・フォリスチムなどで、いずれもペンタイプのもので自己注射がしやすいようになっています。

クロミフェンやシクロフェニル、アロマターゼ阻害剤 で排卵が起こらない場合、他にどのような治療法がありますか?

最も多く用いられるのがHMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)、リコンビナント―FSH(卵胞刺激ホルモン)の注射です。