WHO(2010)の基準は以下のとおりです。
臨床的には、運動精子が精液1ml中に1000万以上あれば、通常の夫婦生活で妊娠可能です。1000万以下の場合、配偶者間人工授精(AIH / IUI)を考えます。
WHO(2010)の基準は以下のとおりです。
臨床的には、運動精子が精液1ml中に1000万以上あれば、通常の夫婦生活で妊娠可能です。1000万以下の場合、配偶者間人工授精(AIH / IUI)を考えます。
潰瘍性大腸炎のサラゾピリン、てんかんのフェニトイン、痛風のコルヒチン、胃・十二指腸潰瘍のシメチジン、尿路感染のニトロフラントイン、男性型脱毛症(AGA)に用いるフィナステリド(プロペシア)などは精子濃度を低下させる可能性があります。痛風のコルヒチンは受精卵に染色体異常を起こす可能性もあります。抗癌剤も無精子症の原因となります。
はい。アルコールの飲みすぎは精子の産生を低下させます。アルコールの主な作用として、テストステロン(男性ホルモン)の分泌を低下させ、テストステロンの分解とテストステロンからエストロゲン(卵胞ホルモン)への転化を促進させます。ですからアルコールを飲みすぎると性欲が低下し、インポテンツの原因になります。
はい。有名なのは、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)で睾丸炎を起こした場合です。急性咽頭炎のようなちょっとした病気でも精子数がゼロになることがあります。
新しい運動精子ができるのには70~74日間かかるため、その間にかかったどのような病気でも影響を及ぼす可能性があります。ですから精液検査の結果が悪い場合は、体調の良い時に何回か繰り返して検査することが必要です。
いいえ。精子は射精されないからといって、いつまでも生きているわけではありません。しばらくすると精子は変性してきます。その結果、精液中に古い精子が増加し、精液の質はかえって悪くなります。ですから、禁欲期間をおいても妊娠しやすくなるということはありません。欧米の報告では、5日以上禁欲しても妊娠率に差がなかったとのことです。
禁欲期間が長くなると精子のDNAが損傷すると言われていますので、 体外受精―胚移植の際に用いる精子も禁欲期間は3日以内が望ましいと考えられます。
腟内では通常2~3時間しか生きていません。しかし、頚管内や子宮内、卵管内に入ると、平均3~4日、まれに7日間くらい生きて受精することがあります。
精子が卵子に到達するまでに、ほとんどの精子は死んでしまうからです。
まず、腟内から多くの精子(精液)が自然に流れ出ます。運良く頚管内に残った精子も、頚管粘液中で淘汰され、1/1000の確率で子宮腔に入ります。また、白血球や貪食細胞に処理されるものも相当数あります。最終的に、卵管内の卵子に到達できる精子はたったの200個以下です。その中で、1個の精子のみ受精できるわけです。このサバイバルレースを勝ち抜いた精子は数億のなかから選ばれたエリート中のエリート、と言えるでしょう。
1回の射精で平均1~3億個の精子が放出されます。
はい。ほぼそう考えて良いと思います。しかし規則的に月経がくる方でも、まれに排卵しないことはあります。
いいえ。どちらから排卵するか、規則性はありません。排卵日近くなり卵胞が大きくなると、超音波で右か左かわかります。右から排卵された卵子は通常右の卵管に入るのですが、ときに反対側の卵管に入ることもあります。
妊娠5ヶ月の胎児は、700万個の卵子を持っています。しかし生まれたときには200万個、思春期には30万~40万個、37歳頃には2万5千個に減少し13年後には卵子数が1000個以下となり閉経します。出生後、新しく卵子が作られることはありません。